こんにちは!BtoBマーケターの「元・営業マン」です。
新卒から10年間、泥臭くフィールドセールスや営業マネジメント、営業企画を経験してきました。当時はSalesforceのダッシュボードを睨みながら、「なんでマーケ部から来るリード(見込み客)は、こんなに受注に繋がらないんだ!」とボヤいていた側です(笑)。
その後、縁あってマーケティングの世界に飛び込みましたが、そこで直面したのは「施策の迷路」でした。SEO、メルマガ、ウェビナー……。手法はたくさんあるけれど、「結局、誰に何を伝えれば動いてくれるのか?」という本質が見えなくなっている現場をたくさん見てきました。
今日は、私がマーケターに転身したばかりの頃に衝撃を受け、今でもバイブルにしている一冊をご紹介しながら、**「BtoBマーケティングで成果を出すための、たった一つの視点」**についてお話しします。
その「施策」、誰のために打っていますか?
「リード獲得数が目標に届かないから、広告費を増やそう」
「SEOの記事をもっと量産して、流入を増やそう」
現場でよく聞く言葉です。もちろん間違いではありません。しかし、営業現場を10年経験した私から見ると、ある決定的な視点が欠けていることが多いのです。
それは、「顧客がなぜ、自社の商品を欲しがるのか?」という欲望の解像度です。
営業マン時代、私は顧客のオフィスに足繁く通い、担当者の悩みだけでなく、その上司のこだわりや、業界特有の不条理を肌で感じてきました。しかし、マーケティングのデスクに座ると、途端に顧客が「数字」や「属性」に見えてしまう。
「とりあえずこのキーワードで検索する人は、この資料をダウンロードするだろう」という作り手側の論理で施策を打ってしまう。これが、いくら頑張っても成果(=受注)に繋がらない最大の原因です。
伝説のマーケターから学ぶ「消費者視点」の本質
ここで、一冊の書籍を紹介させてください。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復させたことで知られる森岡毅氏の著書**『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』**です。
この本で貫かれているのは、徹底した**「消費者視点(コンシューマー・インサイト)」**です。
> 「マーケティングとは、組織全体を『消費者視点』に変えることである」
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森岡氏は、USJが苦戦していた原因を「映画の専門店」という作り手のこだわり(プロダクト・アウト)に縛られていたことだと見抜きました。顧客が求めているのは「映画の世界」そのものではなく、「ハラハラドキドキするエンターテインメント体験」であると再定義し、アニメやゲームなど幅広いコンテンツを導入して大成功を収めたのです。
BtoBの世界こそ、この思考が必要な理由
「BtoBは論理的な意思決定だから、エンタメの事例は参考にならないのでは?」と思うかもしれません。しかし、現実は逆です。
BtoBの顧客は、BtoC(個人消費)よりもはるかに**「精緻な比較」**を行います。
* なぜ、競合A社ではなく自社なのか?
* 導入することで、自分の業務はどう楽になり、会社にどう評価されるのか?
顧客の「不(不安、不満、不便)」を解消し、その先にある「理想の状態」をどれだけ具体的に描けているか。この**「顧客の欲望の理解」**が、BtoBでも勝敗を分けるのです。
現場への落とし込み:明日から「独自の価値」を作る3ステップ
では、私たちBtoBマーケターは明日から何をすべきでしょうか?
営業現場の感覚をマーケティングに呼び戻すためのアクションを提案します。
1. 「機能」ではなく「ベネフィット」を言語化する
「このシステムはAI搭載です」というのは機能です。顧客が知りたいのは「AI搭載だから、今まで3時間かかっていた報告書作成が5分で終わる」という**ベネフィット(利益)**です。
自社製品が、顧客のどんな「痛み」を消し去るのか。営業時代に顧客が一番喜んだ瞬間を思い出して、キャッチコピーを書き直してみてください。
2. 「徹底的な差別化」の軸を決める
BtoBは比較検討の宝庫です。比較された時に「〇〇といえばこの会社」と言える独自性が不可欠です。
* 圧倒的な専門性(例:製造業のDXならどこよりも詳しい)
* 異常なまでの伴走支援(例:導入後の定着率が業界No.1)
何でもできるは、誰にも刺さりません。一つ、尖らせる勇気を持ちましょう。
3. インサイドセールスや営業と「生の声」を共有する
ツール上のデータだけを見ず、営業現場に「最近、お客様からよく聞くお困りごとは?」と聞きに行ってください。Salesforceの商談履歴を読み込むのも良いでしょう。
そこにこそ、SEOキーワードやメルマガの件名、そして戦略の核となるヒントが眠っています。
まとめ:マーケティングは「愛」と「想像力」だ
BtoBマーケティングは、決して冷たい数字のゲームではありません。
画面の向こう側にいる、悩める担当者の力になりたいと願う**「顧客への深い理解」**こそが、最強の戦略になります。
「施策」に溺れそうになったら、一度立ち止まって**「お客様が本当に求めているものは何か?」**を問い直してみてください。
「営業現場を知っているマーケター」という私の強みを生かして、これからも皆さんと一緒に、本質的なマーケティングを追求していければ嬉しいです。



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